睡眠時無呼吸症候群とは

昨今、「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」という言葉を耳にされる方も多いのではないかと思います。睡眠時無呼吸症候群は、その名の通り睡眠中に何度も呼吸が止まってしまい十分な睡眠が取れなくなる病気で、代表的な症状として、日中の強い眠気や大きないびきなどが挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群は、肥満傾向にある中年男性に多く、女性の場合も国内の人口の約4%と言われており、30歳以上の方のうち、200万人以上の方に何らかの治療が必要と言われております。

実生活において、日中の眠気によりお仕事に支障が生じるようになったり、居眠り運転による事故を誘発するなどの問題が起こりますが、放置してしまうことで高血圧や心臓循環障害、脳循環障害などに陥るとも言われており、命に関わることもある注意すべき病気です。
昼間に眠気を感じることが多い方や、ご家族などに「いびき」を指摘されたことがある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、当院へお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと

睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまうことで血液中の酸素が不足し、心臓や血管に多くの負担がかかり、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患や、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害を併発するリスクが高まります。
さらに、高血圧や糖尿病のリスクが高まることも分かってきており、健康な方に比べ8年後の生存率が約60%になるとも言われています。

また、昼間の眠気や集中力の低下から、自動車事故を起こす確率も通常の数倍になると言われており、ご本人はもちろん、ご家族の精神的・経済的損失にも繋がることになり、睡眠時無呼吸症候群を放置することは、ご自身の健康問題だけではなく、実は社会的問題にも繋がってしまう一面もあり注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の検査

当院では、熟睡感の有無や日中の自覚症状(眠気など)、病歴、生活習慣などに関する問診の上、ご自宅で眠りながらできる簡易検査キットによる検査を行っております。
ご自宅での就寝時に検査キットを装着してお眠りいただくだけで、睡眠中の呼吸気流、血液中の酸素飽和度、呼吸停止時間、脈拍などを記録することができ、病気のタイプや重症度を診断することができます。

睡眠時無呼吸症候群の治療

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の治療が必要と診断された場合は、「CPAP:Continuous Positive Airway Pressure(経鼻的持続陽圧呼吸療法)」による治療を行います。
CPAPは鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り続けることで気道の閉塞を取り除き、睡眠中の無呼吸や低呼吸を防ぎます。
日本国内はもちろん欧米でも広く普及していて、副作用もなく治療効果が高く、保険適用でもあることから、睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法となっております。