帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹は、これまでに水ぼうそう(水痘)に罹患したことがある方に発症する病気です。水ぼうそうの原因でもある水痘・帯状疱疹ウイルスは、体内に一度侵入すると体外に排出されることはありません。症状が治まると神経節に潜伏するようになります。
その後、加齢や過労などから免疫力が低下すると同ウイルスが活性化し、左右どちらかの神経支配領域に沿って、痛みや皮疹(紅斑、小水疱、痂疲等)がみられるようになります。皮膚症状に関しては3週間程度で治まるようになりますが、高齢者が罹患、あるいは痛みが強く出たという場合、いつまでも神経に痛みが残ることがあります。発症から3ヵ月を経過しても続く痛みのことを帯状疱疹後神経痛と言います。
こうした状態にならないよう、あらかじめ帯状疱疹を予防するために接種するのが帯状疱疹ワクチンです。対象となるのは発症率が上昇するとされる50歳以上の方としています。
肺炎球菌ワクチンについて
日本人の死因第5位(厚生労働省:令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況)に挙げられる肺炎ですが、死亡された方の9割以上が65歳以上の高齢者です。また成人が肺炎を発症する原因で最も多いとされているのが肺炎球菌です。
そのため、高齢者等の肺炎球菌ワクチンの接種は定期予防接種扱いになっており、市区町村の各自治体では、同ワクチンに対する費用の一部を公費負担としています。ちなみにこの場合は、高齢者すべての方を対象としてはいません。これまで23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)を接種されている方は対象外です。詳細につきましては、柏市の公式ホームページをご覧ください。
尚、定期予防接種の対象にならない方であっても同ワクチンを接種すること自体は可能です(全額自己負担となります)。ただ再接種を希望される方で、前回の接種から5年以上が経過していない状態で受けられると接種後に注射部位より強い痛みが出るようになると言われています。
麻疹・風疹(MR)ワクチンについて
麻疹は、麻疹ウイルスによって起こる感染症で、主に春から夏にかけて空気感染・飛沫感染・接触感染で人から人へ感染していきます。そして感染力がとても強く、抗体を持たない人や抗体価の低い人に感染を広げていきます。
麻疹の主な症状は、発熱・咳・鼻汁・目やに・発疹などで、10~12日の潜伏期間の後に症状が出始め、38℃前後の発熱や、頬の内側の口腔粘膜に白く小さな斑点が現れます。
さらに、30%程度の人に気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎といった合併症がみられます。
麻疹は、ワクチン接種により約95%の人に免疫が獲得されます。ただし、1回の予防接種では免疫が上がらない人や、麻疹に対する抗体価が次第に低くなる人もいるため、現在では2回の接種が勧められています。
また、麻疹には特別な治療法がなく対症療法のみとなるため、予防にはワクチン接種が重要です。
また風疹も、風疹ウイルスに感染することによって引き起こされる感染症で、2~3週間程度の潜伏期間を経て、発熱、リンパ節の腫れ、発疹など症状が現れ、まれに肺炎や脳炎を引き起こすこともあります。
風疹は、小児の場合にはあまり重症化しない病気ですが、成人がかかると症状が重くなることがあり、関節炎・急性脳炎などの合併症を起こす可能性があり、妊娠20週頃までの妊婦さんが染すると、先天性風疹症候群のお子さんが生まれてくる可能性が高くなりますので、ワクチン接種が重要となります。
インフルエンザ予防接種について
インフルエンザを予防する最も有効な手段のひとつが、インフルエンザワクチンの接種です。一般的に、インフルエンザワクチンの予防効果は接種約2週間後から発揮され、5ヶ月程度持続するとされています。そのため、インフルエンザの流行が始まる前に、いち早く接種を受けられることがお勧めです。
また、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行しますので、それに対応するためにも、予防接種は毎年受けることが重要です。
インフルエンザワクチンは、感染予防だけでなく重症化予防にも効果を発揮しますので、早めの接種をお勧めいたします。
予防接種には、法律に基づき市区町村が主体となり実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
接種費用は、定期接種は公費ですが(一部自己負担あり)、任意接種は自己負担となります。
下記については、柏市にて定期接種を実施中、ならびに実施予定です。
帯状疱疹ワクチン
【対象者】
接種時に柏市に住民登録があり、次のいずれかに該当する方
1. 令和7年度(令和7年4月1日から令和8年3月31日)に65・70・75・80・85・90・95・100歳を迎える方(予定)
2. 100歳以上の方
3. 60歳から64歳の方で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害があり、身体障害者手帳1級相当の方(予防接種を実施するために予診票が必要となりますので、事前に柏市 健康増進課へお問い合わせください)。
※ 身体障害者手帳の写し、または医師の診断書(写しでも可)の提出が必要です。
【接種期間】
令和7年4月1日(火曜日)から令和8年3月31日(火曜日)まで
【自己負担金】
・シングリックス(不活性化ワクチン): 7,500円
※2か月以上の間隔をおいて2回接種します。
・ビケン(生ワクチン): 2,500円
肺炎球菌ワクチン
【対象者】
予防接種を受ける日において、柏市に住民票がある以下の「1.」または「2.」に該当する方
1. 65歳の方
2. 60歳以上65歳未満で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウィルスによる免疫の機能障がいで身体障がい者手帳1級相当の方(予防接種を実施するために予診票が必要となりますので、事前に柏市 健康増進課へお問い合わせください)。
※ 過去に肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)を接種したことがある方は、予防接種法で定められた定期接種の対象者にはなりません。
【接種期間】
柏市に住民票があり、65歳の間(66歳の誕生日の前日まで)
【費用】
自己負担3,000円(ただし、接種日当日に接種対象に当てはまる方)
当院は千葉県内定期予防接種の相互乗り入れ協力医療機関です。柏市以外の千葉県内にお住まいの方も、肺炎球菌ワクチンの予防接種が可能です。
ご希望の方はご予約の上、ご来院ください。
※マイナンバーカードか保険証と、予診票をご持参ください。
詳細に関しましては各市区町村のHP等でご確認ください。